【第10回建設業許可】建設業許可を取ったら終わりじゃない?毎年必要な「決算変更届」の重要性

「厳しい要件をクリアして、ようやく建設業許可を取得できた!」経営者の皆様にとって、許可通知書を受け取ったときの達成感は、ひとしおだと思います。しかし、建設業許可は、一度取得したらそれで終わりというわけではありません。許可を取得した後も、毎事業年度終了後に行わなければならない重要な手続きがあります。

それが、「決算変更届(事業年度終了届)」です。

今回は、建設業許可を取得した後に毎年必要となる「決算変更届」について、提出期限や必要書類、提出しなかった場合の注意点を分かりやすく解説します。


1.決算変更届(事業年度終了届)とは?

決算変更届とは、建設業許可を受けている事業者が、毎事業年度終了後4か月以内に、許可行政庁へ提出する届出です。群馬県でも、建設業許可業者は毎事業年度終了後4か月以内に、決算に関する届出を行う必要があるとされています。
例えば、法人の事業年度が3月31日に終了する場合は、7月31日までが提出期限となります。また、個人事業主の場合は、原則として12月31日が事業年度の終了となるため、翌年4月30日までが提出期限となります。

「税務署への申告が終わっていれば大丈夫」は間違い

ここは、建設業者の方からよく聞かれる誤解です。「毎年、税理士に決算申告をお願いしているから大丈夫」と思っている方もいらっしゃいます。
しかし、税務署への法人税・所得税などの申告と、建設業許可の決算変更届は別の手続きです。税務申告をきちんと済ませていても、建設業許可を維持するためには、別途、決算変更届を提出する必要があります。


2.なぜ毎年提出する必要があるの?

「毎年、決算変更届を出すのは面倒だな……」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、決算変更届は単なる形式的な手続きではありません。特に重要なのが、建設業許可の更新との関係です。

① 5年ごとの許可更新に関係する

建設業許可の有効期間は、原則として5年間です。
そして、許可を更新する際には、これまでに必要な変更届などが適正に提出されていることが重要です。群馬県も、変更届等が適正に提出されていない場合、更新申請などの許可申請を受け付けられないと案内しています。
つまり、「5年に1回の更新のときにまとめてやればいい」という考え方は危険です。毎年の決算変更届を、その都度きちんと提出しておくことが大切です。なお、過去に未提出の決算変更届がある場合は、放置せず、必要な届出を整理して早めに対応することが重要です。


② 経営事項審査を受ける場合にも関係する

公共工事の入札参加を目指している建設業者にとって重要なのが、経営事項審査(経審)です。経審を受ける場合には、決算変更届の提出から、その後の経営状況分析など、一定の手続きを順番に進めていく必要があります。群馬県も、経審の手続きにおいて、まず決算変更届を提出し、その後に経営状況分析、経営規模等評価・総合評定値請求へ進む流れを案内しています。
そのため、公共工事への入札を考えている会社は、決算が終わったら早めに決算変更届を準備しておくことが重要です。


3.提出しないとどうなる?

「忙しくて、つい提出を忘れてしまった……」という場合でも、決算変更届は放置しないようにしましょう。提出を怠った場合には、次のようなリスクがあります。

① 建設業法上の罰則の対象になる可能性がある

決算変更届は、建設業法第11条に基づいて提出が義務付けられています。正当な理由なく必要な届出を行わない場合には、建設業法上の罰則の対象となる可能性があります。

「知らなかった」「忘れていた」だけで済むとは限りません。


② 許可更新などの手続きに影響する

決算変更届などの必要な届出が適正に提出されていない場合、更新申請や業種追加などの許可申請を受け付けてもらえない場合があります。群馬県も、この点を明確に案内しています。

そのため、「更新のときにまとめて対応すればいい」と考えるのではなく、毎年期限内に提出しておくことが重要です。


③ 行政から確認や指導を受ける可能性がある

提出期限を過ぎた場合、行政庁から提出状況について確認を受けたり、未提出の理由や今後の再発防止について説明を求められたりする場合があります。

国土交通省の地方整備局でも、期限までに提出されなかった場合、その理由や再発防止について書面等で確認する場合があると案内しています。


4.決算変更届には何を提出するの?

では、実際にどのような書類を準備するのでしょうか。
群馬県の場合、主な提出書類には次のようなものがあります。

主な提出書類

  • 変更届出書(決算変更届の表紙)
  • 工事経歴書
  • 直前3年の各事業年度における工事施工金額
  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 株主資本等変動計算書(法人の場合)
  • 注記表(法人の場合)
  • 納税証明書

このほか、使用人数、令第3条に規定する使用人の一覧、定款、健康保険等の加入状況などについて、変更があった場合に提出が必要となる書類があります。

つまり、単純に「決算書を提出するだけ」という手続きではありません。


5.税理士に決算をお願いしていても注意が必要

ここも非常に重要なポイントです。

税理士に会社の決算申告をお願いしている場合でも、「建設業の決算変更届まで自動的に提出される」とは限りません。税務上の決算申告と、建設業法上の決算変更届は、それぞれ別の手続きだからです。

そのため、「税理士に決算をお願いしているから、建設業の手続きも大丈夫だろう」と自己判断せず、決算変更届が提出されているかを確認しておくことが大切です。


6.毎年の期限を忘れないためには?

決算変更届を忘れないためには、会社の決算スケジュールと一緒に管理しておくのがおすすめです。

例えば、3月決算の会社であれば、

3月31日 → 事業年度終了
↓
4月~5月 → 決算・税務申告の準備
↓
6月~7月 → 決算変更届の準備
↓
7月31日まで → 決算変更届を提出

というように、あらかじめ予定を組んでおくと安心です。特に、公共工事への入札を予定している会社は、経審などのスケジュールも考慮して、早めに準備することをおすすめします。


まとめ|建設業許可は「取得後の管理」も重要です

建設業許可は、「許可を取ったら終わり」ではありません。
許可取得後も、

  • 毎年の決算変更届
  • 会社情報などに変更があった場合の変更届
  • 5年ごとの許可更新
  • 必要に応じた経営事項審査

など、継続的な手続きが必要になります。中でも決算変更届は、毎事業年度終了後4か月以内という期限があるため、忘れないように注意しましょう。

「決算変更届を出しているか分からない」
「過去の分を提出していなかった」
「今年の決算変更届をどう準備すればいいか分からない」
「更新までに何を準備しておけばいい?」

このようなお悩みがありましたら、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

群馬県太田市のむらかみ行政書士事務所では、建設業許可の新規申請だけでなく、許可取得後の決算変更届や更新など、継続的な手続きについてもサポートしています。

建設業許可を「取る」だけでなく、「維持していく」ための手続きもしっかり管理していきましょう。

✓ ご相談無料
✓ 原則1~2日以内に返信
✓ 土日祝・夜間対応

群馬県太田市
むらかみ行政書士事務所
行政書士 村上 温子